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2022年

◎12月 青い空がつづく年の瀬


ソフトが調子悪くなり、しばらくホームページのアップができずすいませんでした。
今年は夏からずっと仕事が重なっていて、忙しい日が続いていました。
ようやくひと息つけて掃除もできて、気持ちよく年を越せそうです。
あと、誕生日にわかったことがあります。
11月で58歳になったと思っていたのですが、実は57歳でした。
なので2023年はプレゼントの年と思って過ごそうと思います。
夏にはおととし個展をした神戸のMORISで、再び個展があります。
日程が決まりましたら、またお知らせします。

みなさま、良いお年をお迎えください。
今年も一年ありがとうございました。
2023年は、愛に溢れた、そしてユニークな日々になりますように。



◎4月 夢のような場所、雲ノ平。


山がすきな人なら、きっと憧れの地、雲ノ平。
北アルプス最奥地にある標高2,600mに広がる溶岩台地に、 雲ノ平山荘はあります。
それはそれは素敵な山荘です。
ちょっと言葉では言い表せません、すみません。
雲ノ平山荘では、2020年よりアーティスト・イン・レジデンス・プログラムが行われています。
アーティストが数週間滞在し、寝食を共にし、作品を制作するのです。
2020年に7人、2021年に5人が参加し、その成果物としての作品が今、東京で展示されています。

実は私も縁あって、雲ノ平山荘の経営者である伊藤二朗さんにお誘いいただき、 レジデンスが始まる一年前、1週間ほど滞在させていただきました。
山に頻繁に登るようになって12年になりますが、山小屋にこんなに長く滞在するのは初めてです。
山小屋は山歩きの通過点で、旅と違って宿は目的地ではなく、同じ場所に長く滞在するという意識はありませんでした。
しかもこんな自然の厳しい北アルプスの最奥地、標高の高い場所での長期滞在は貴重な体験でした。
みなさんそれがしたくて山小屋のスタッフになるのかもしれませんね。
携帯用の絵を描く道具は持っていましたが、あまり制作する気持ちにはなりませんでした。
こんな特別な場所で日常していることをする時間がもったいないような、心が内側に向くのがもったいないような、そんな感じでした。
でももっと長く滞在して、体も心もこの場に馴染んできたら、変わっていくような気もしました。
もしそうなったら、ここで感じたことが制作につながったら、面白いことになるだろうという気配を感じました。
ここはとても気持ちのいい場所ですが、自然の驚異がいつも隣り合わせです。
そういう意味では過酷で、人間が穏やかに住む場所ではありません。
ときどき、地球ではない違う星にいるような気分になります。
ここではなにか違う時間が流れているのです。
そういう場所に身を置いて、そこで反応したことを見てみたいなと思いました。
二朗さんはずっと自然とアートを結ぶなにかを探していたので、そんなことを伝えました。
そして翌年から、アーティスト・イン・レジデンスは始まりました。

長くなりましたがこのような経緯があって、今回私は展覧会で配られるbookのデザインを担当しました。
100ページあまりの作品カタログで、二朗さんが考えている自然と人間の関わりについても書かれてる読み応えのある本です。
初日に行きましたが、13人のアーティストが、絵画、版画、漫画、立体、インスタレーション、写真、映像といろんな表現で制作した作品が並び、すばらしかったです。
2会場あって、受付のあるHB.nezuでは、雲ノ平やアーティストのインタビュー映像もあります。
とっても面白いので、ぜひ、ゆっくりご覧ください。


Diffusion of Nature「自然」をめぐる視点
雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラム Exhibition


会期: 2022.4.19(火)ー  4.30(土)
時間: 13:00-20:00(最終日11:00-15:00)
場所: The 5th Floor / HB.nezu
入場料:\500(book付き)


◎3月 空の下にある尊いもの。


昨日、武蔵小金井公園の梅園に行きました。
たくさんの種類の梅の木があって、今の時季は色とりどりの花が満開です。
桜もいいけれど、梅の花見は人が少なくて穏やか。
ポットに入れてきたお茶を飲みながら、おやつをつまみ、
友だちとたわいもない話をする時間がすきです。
最近、根を詰めて長時間パソコンに張り付いていたので、
頭はパンパン、体はカチコチになっていました。
ベランダに出たら梅の木に花が咲いていて、梅園のことを思い出し、
急きょ、友だちを誘って自転車をかっ飛ばし武蔵小金井公園へ。
とても大きな公園なので、森のなかにいるようです。
春の陽射しを浴びながらのんびり散歩したら、頭も体もすっきりしました。
時がきたら花を咲かせ舞ってゆく花は、静かに呼吸してました。
今このときを大事にしよう、と思いました。
室内にこもり過ぎていたら、何も見えなくなって、知らないままになって、
なかったことになってしまう。
季節の移ろいを感じて、体のなかに気持ちのいい空気を取り入れよう。
どうか、同じ空の下にいる人々に平安がありますように。

2021年


◎12月 わーい。


昨年刊行した『山とあめ玉と絵具箱』が、「旅の良書2021」に選ばれました。
日本旅行作家協会が主催する斎藤茂太賞の選出過程で選ばれた8冊だそうです。
年の瀬に思わぬ嬉しいお知らせでした。
読んでくださったみなさま、本当にありがとうございます。
2021年は東京を皮切りに静岡、神戸、大阪で、その本の出版にまつわる個展をさせていただき、ぶじ終えることができてほっとしています。
来年は、もっともっと自分を褒めて、明るいほうに向かおうと思います。
(↑それがいちばんやる気上がります)
小学生の抱負みたいになりました。
来年がよい年でありますように。
あたたかくしてお過ごしください。


◎8月 六甲山のふもとで、個展『山』。


連日、暑いなか足をお運びくださり、ありがとうございました。
西の陽差しがこんなに強いとは、びっくりでした。

私は小学校へ上がるまでの6年間、兵庫県西宮市で過ごしました。
個展をさせていただいたMORISは、あずき色がレトロな雰囲気を醸し出している阪急電車の六甲駅にあります。
関東へ越してからも、毎年夏は伯父の住む神戸で過ごしていたので、ここは懐かしいところです。
六甲山のふもとで山の個展をすることになって、ふしぎな縁を感じました。

今回、昭和の初めのころに作られた貴重な古い短冊に、山の景色を描きました。
この企画はMORISの森脇今日子さんのアイデアだったので、設営もお願いしたところ、 なんのためらいもなく、するすると壁に絵を描くように短冊が配置されていき、私が想像してなかった壁面になりました。
トップページのExhibitionsに今日子さんが撮影された展示風景がありますので、ぜひごらんください。

短冊というのは、細長いものに俳句や詩、ちょっとした絵などを描いたものです。
掛け軸よりも気軽なかんじで、昔は季節ごとに短冊を替えて楽しんだようです。
著名な日本画家や文人が描いた短冊は、高額で出回っているようですが、安価なものも捨てるほど出てくるんだとか。
それはもったいない、こんないい文化を知ってもらいたいということで、MORISでは毎年「短冊ざくざく」という即売会をやっています。
大きなテーブルに積み上がった短冊から、掘り出し物を探すのはたのしそう。
今年も、9月22日から5日間あります。
お近くの方は、ぜひごらんください。

細長い短冊は、額に入っている絵と違って、壁が少ない日本の家でも飾れます。
MORISとワイヤー作家の関さんが考案された短冊掛けが、 またとても洒落ていて、和・洋どっちにも合います。
その短冊掛けのおかげで、私の短冊も1.5割り増しの見栄えになりました。

今回の展示では、使われないまま残っていた古い短冊を分けていただいたので、 経年劣化した味のある風合いが魅力です。
素材は、紙のほかに、絹地、銀地、木地がありました。
画材はいつも使っている顔彩と、美大時代ぶりに岩絵具も使いました。
岩絵具というのは、鉱石を砕いて粒子状にしたものです。
それだけでは画面に定着しないので、膠(ニカワ)という動物のコラーゲンを溶かしたものに練り混ぜて、絵の具の状態にします。
そうやって一色ずつ自分で作るので少し面倒なのですが、描くのはあっというま。
そういうところが、茶道のように感じました。
たった一杯のお茶を飲むだけなのに、それまでが大変という。
でも絵皿に広がる天然の岩絵具は、本当にきれいです。
岩絵具は、描くというより画面に色を置くというかんじです。
筆を滑らせてしまうと、岩絵具の粒子がうまく画面に定着しないのです。
その置くという行為が、山に岩を積み上げているみたいだなと思いました。
制作過程は、俳句作りのような感じもしました。
限られたスペースのなかで作る絵が、限られた文字数のなかに世界を織り込む俳句みたいで。
そのときに出てきたものがそのままという恥ずかしさもありました。
ごまかせないというか、修正できない一発勝負という短冊との向き合い方に、 次の扉が開かれた気がします。
こんな機会をいただけて、感謝です。

さて、次の展示は、大阪のiTohenです。
10月9日から25日まで。
川原真由美『山とあめ玉と絵具箱』原画+新作個展

原画が巡回展中に旅立って少なくなったので(ありがとうございます)、
その分、新作もたくさん出せたらと思っています!
iTohenは、美術同人誌『四月と十月』五周年記念展以来の16年ぶり。
どうぞ、よろしくお願いします。



◎6月 HIBARI BOOKSでの個展が終わりました。次へと向かいます!


先週末、静岡での個展が終わりました。
お越しくださったみなさま、ありがとうございました。
小学校のころ住んでいた懐かしい場所だったので、ゆっくり在廊したかったのですが、緊急事態宣言で叶わず残念でした。
作品が旅立つのはたまに名残惜しいこともありますが、次へ行こうという決意にもなります。
なにより、どこかでだれかの日常に関わっていくことが嬉しいです。
お目にかかれなかったみなさま、本当にありがとうございました。

HIBARI BOOKSは、駿府城近くの街路樹の緑が爽やかな閑静な場所あります。
昔、山の道具を扱うお店だったこともあるようで縁を感じました。
入り口の青い縁取りはそのときの名残りだそう。
本のエリアを抜けるとつきあたりが広々としたギャラリーで、窓側のカウンターにはカフェスペースもあります。
ケーキを注文すると、2つ隣のケーキ屋さんから運ばれてきます。
設営作業中にいただいたサヴァラン、滋味深くておいしかったです。
もう40年以上営んでいらっしゃるケーキ屋さんだとか。
こういうゆったりした雰囲気が、HIBARI BOOKSを作っています。
お近くの方は、ぜひいらしてみてください。
気持ちのいい時間が過ごせること間違いなしです。

次の個展「山」は、MORIS(神戸・六甲)です。
7月24日(土)から8月1日(日)まで。
また違った趣きの展示になると思います。
梅雨が明けた頃、おたのしみに…



◎4月 Titleでの個展が終わり、静岡・HIBARI BOOKSへ巡回します。


東京・荻窪Titleでの個展を、19日に終えることができました。
お越しくださったみなさま、ありがとうございました。
昨年、本を刊行してから全国6箇所の本屋を原画3点が巡回し、その最終地点Titleでの展示では、原画と新作を展示しました。
昨年はあまり山へ行けませんでしたが、描いた絵に囲まれながら、 こうやって想う山もいいなと思いました。
Titleの2階ギャラリーは自分のアトリエのような、山小屋のような空間で、1階にはいい本がたくさん並んでいます。
奥のカフェは、ケーキがすごーくおいしいです。
東京は大型書店が多く、こんな本屋さんがあるのは奇跡だと思います。
このような場所で展示をする機会に恵まれて、 たくさんの方に見ていただいているうちに、不思議なくらい自分の作品に肯定的な気持ちになりました。
5月1日から静岡・HIBARI BOOKSでの巡回展、7月24日から神戸・MORISでの個展、10月9日からの大阪・iTohenでの展示と続きます。
どうか、コロナが落ち着きますように。
みなさま、お元気でお過ごしください。

トップページのExhibitionに、今まで滞っていた個展の写真をたくさんアップしましたので、 ごらんいただけたら嬉しいです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。



◎3月 19日から個展がはじまります。


すこしずつ、春が近づいてきています。
近所の公園では、早咲きの桜が満開です。
みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。

私はというと、Title(タイトル)での個展が近づいているのに、そんなうららかな陽気に誘われて、ついふらふらと散歩に出かけてしまう日々です。
これでいいのか、これでいいのだ、ゆらゆらゆらゆら。
もう、船酔い気分です。

そんな心持ちはさておいて、その個展についてお話したいと思います。

昨年秋に『山とあめ玉と絵具箱』を上梓し、今、本のなかの装画3点が、 全国の6都市の本屋さんを旅するという「本屋を巡る、原画の小さな旅」をしています。
2〜3週間ずつ、『山とあめ玉と絵具箱』本のフェアをしていただいているのです。
昨年10月下旬、長野の栞日から始まり、大阪のiTohen、熊本の長崎次郎書店、名古屋のON READING、今は広島のREADAN DEATで開催中です。

どこも行きたい本屋さんだったので、開催の地に赴いて、近くの山を散策してからそちらに伺うという計画を目論んでいました。
こんな状況になって叶いませんでしたが、開催中の本屋さんから送られてくる展示写真をみて、毎度、感無量です。
(トップページのお知らせで、展示風景がごらんいただけます)
小さな原画3点とはいえ、本が並んでいる限られたスペースで飾っていただくのは、大変だったことと思います。
スタッフのみなさま、本当にありがとうございました。

終着地である東京のTitleは、本屋の2階にギャラリーがあります。
ですので、旅のフィナーレでは原画に加えて、描き下ろしも展示させていただくことになりました。
それが、「川原真由美個展『山とあめ玉と絵具箱』原画, あらたなこと.」です。
「山を感じる本」も何冊か選書させていただいたので、展示とともにおたのしみください。ご購入することもできます。

そして!
その巡回展が、5月に静岡のひばりブックス、
10月に大阪のiTohenで、開催されます。
お近くの方は、こちらをごらんいただけたら嬉しいです。
(※内容は一部変更することもありますので、ご了承ください。)

そしてそして!!

7月には、個展「山」を神戸で開催します。
ギャラリーMORISがある六甲は、私にとってゆかりのある場所です。
MORISの今日子さんがあることを計画中で、今からにやにやしています。

というわけで、個展が目白押しですー。
愉しんでいただけますように。
どうぞ、よろしくお願いいたします。



◎12月 たいへんな年でした。


みなさま、お変わりなくお過ごしでしょうか。
今年は、こういう見出しになってしまいます。
変わりない日というのは、あたりまえじゃなくて、
奇跡のようなことが重なって訪れている、と気づいた一年でした。
まずは、ここまで辿り着けたことに、感謝したい気持ちです。
来年は、光が見えることを祈るばかりです。

そして、拙著『山とあめ玉と絵具箱』を読んでくださった方、
ご感想をくださった方、この場を借りて、お礼申し上げます。
ありがとうございました。
そしてそして、SNSをやっていない私にかわって、インスタやツイッター、
フェイスブックに情報をあげてくれる友人、知人、お仕事なかまに感謝感謝です。
いつも助けてくれて、ほんとにありがとう。

単著としては初めての本を出版し、これまた初めてのラジオに2回も出演し、
いろんな経験をさせていただきました。
「ラジオ深夜便」は1月5日まで聴き逃し配信をしていますので、
お正月の暇つぶしにでも聴いていただけたらうれしいです。
12月28日午後11時台の放送です。

その場で思いついたことを話そうと、なにも準備してなかったら、
いざとなるとすぐに言葉は出てこないものですね、焦りました。
帰ってから、あの話をすればよかったと気づいても、あとの祭り。
でも、話したいことが話せなくても、その場で動いていく言葉のほうが
大事なのかもしれません。
お話できなかったことは、また別の機会にでも。

来年は制作と発表に向かいます!
もう、たくさん個展の予定を入れてしまいました。
今年は、山にもあまりいけず、外出も少なく篭っている時間が長かったのですが、
人に会えなかった分、自分に集中できた気がします。
2021年は、その気持ちをより制作に向けていきます。
抱負って、口にしてみるといいですね。
そうなるような気がしてきました。
向こうに旗が立っていて、ここだよ〜って、教えてくれるかんじ。
そこに向かいます!

では、2021年の個展のお知らせです。



川原真由美『山とあめ玉と絵具箱』原画+新作個展
期間:3月19日(金)→4月5日(月)
場所: Title(東京・荻窪)

巡回展
ひばりブックス(静岡) 5月
iTohen(大阪)10/9〜10/25

MORIS(神戸・六甲) 7月 ←趣きのちがう個展



「川原真由美『山とあめ玉と絵具箱』本屋を巡る、原画の小さな旅」
12 / 28(月)→ 1 / 18(月) 長崎次郎書店(熊本)
1 / 27(水)→ 2 / 15(月) ON READING(名古屋)
2 / 22(月)→ 3 / 15(月) READAN DEAT(広島)


2021年は、わくわく制作して、わくわく発表する年にしたいと思います。
お近くの方は、ぜひ遊びにいらしてください。
みなさま、お体に気をつけて、よい年になりますように。
願えばきっと、そうなりますとも!



◎10月 『山とあめ玉と絵具箱』出版記念トーク。


初めての単著『山とあめ玉と絵具箱』の出版記念トークを行いました。
本のきっかけでもある、昨年冬に個展をした吉祥寺キチムでの開催で、
1日だけの原画展もしました。
ゲストは、旧友の画家、牧野伊三夫さん。
ご来店者数を絞っての開催なので、オンラインでも視聴できるよう配信にも挑戦。
欲張ったおかげで、てんてこ舞いで、配信が途中で切れてしまったり、
牧野さんの声が聞こえにくかったりと、予期せぬハプニングが勃発。
後日、途切れた部分や聞こえにくかった部分を書き起こして、
メールをさせていただきましたが、本当に申し訳なかったです。
にもかかわらず、たくさん温かい言葉、ご感想をいただきありがとうございました。
ご来店の方々にも、不安な状況のなか足をお運びいただき、感謝でいっぱいです。

牧野さんとは、美大を卒業後に入社した広告制作会社サン・アドの同僚で、
独立した後も、彼が創刊した美術同人誌『四月と十月』に私も参加したりと、
長い付き合いですが、こうしてお互いのことついて人前で話すのは初めてでした。
気のおけない友人とのトークは、気持ちが緩みがちで、
本の制作について話しているときは、いろんなことが蘇ってきて思わずほろり。
牧野さんがテーブルフキンを差し出して、笑いをとる場面も。
三十年来の友人との話は尽きず、あっという間の愉しいひとときでした。
それにしても牧野さんは、山の出来事を書いてる本なのに、私のことを鋭く見抜くのでびっくりしました。
とても巧みに本質を言い当てる牧野画伯!
絵の才能のほかに、相手から生の声を引き出す取材力にも長けているのでした。
絵の話はとても話しきれなかったので、そのうち続きをやろうと話しています。



◎8月 『山とあめ玉と絵具箱』、本できました!


毎日暑い日がつづきますが、お元気でおすごしですか。
長い時間をかけて作っていた初の単著が、ついに発売になります。
高尾山や奥多摩へハイキングに出かけるくらいだった私が、
山の道具をそろえて、アルプスなど高い山に行くようになって十年。
そのあいだに出会った出来事を、文にまとめました。
昨年の冬、吉祥寺のキチムでの個展で描いた絵が中心になっています。
(展示作品、→こちらよりご覧になれます。)

9月9日発売で、書店には少し前からぼちぼち並ぶと思います。
ドキドキしていますが、ぜひご覧ください!
そして、ご感想を聞かせていただけたら、とてもうれしいです。


2018年


◎12月 個展のお知らせ。


もはや1年に1回の更新が恒例行事になリつつあるhpにお越しくださり、
本当にありがとうございます。
今はSNSで近況を即座に上げる時代ですものね、という理由も
SNSをやっていない私には通用せず・・・ほんとうにすみません。

昨年のNEWSを振り返ると、雪山に挑戦!と書いていますが、
はい、文字通りたくさん出かけてきました。
山小屋代が辛くなったてきたので、ついにテントデビューをして、
長い縦走にも出かけました。
そんな時間を過ごしてきまして・・・

ここで、お知らせがあります。

来年1月、久しぶりに地元吉祥寺で、山にまつわる個展を行うことになりました!
随筆集『街と山のあいだ』や、山と自然を扱う小冊子『murren(ミューレン)』の
編集・発行人としてもお馴染み、文筆家で編集者の若菜晃子さんと
トークイベントも開催します。
お時間がありましたら、ぜひお越しください。
お待ちしております!

川原真由美 『山と地図となにか』展
2019年1月23日(水)〜2月4日(月) 
12:00〜18:00 火曜休
*23日(水)20時まで・26日(土)16時半まで

◎トークイベント若菜晃子×川原真由美「‘山と自分のあいだ’ になにが見える?」
1月26日(土) 18:30開場/19:00開演
料金 1,500円(+drink)
詳細・ご予約などはこちらをご覧ください。

Event Speace & Cafe キチム
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-7 吉祥ビル地下1階 


初日と週末、在店しています。平日もなるべくいけたらと思っています。
来年、キチムでお会いできるのをたのしみにしています。
ではみなさま、よいお年をおむかえください。
Merry Christmas & Happy New Year


2017年


◎12月 今年は山に没頭の一年でした。


山に行くようになったのは6年前です。
それまでも奥多摩や高尾界隈にはハイキングに出掛けていましたが、
地図も持たずもっぱら連れて行ってもらう登山でした。
それが2011年秋、北アルプスの涸沢カールへ行ったのがきっかけで、
連れて行ってもらう登山を卒業し、自力で山へ行くようになりました。
毎月どこかへ出掛けるようになって3年目、一緒に始めた友人が
子育てで行けなくなって私も次第に気持ちが離れてしまい、
年に2〜3回ほどになっていたのですが、今年、あることがきっかけで再熱しました。
(「あること」は山岳雑誌『岳人』2018.1月号「山のエッセイ」に)
今回は、なぜここまで惹きつけられるのかわからないほど、
前とは山との関係が違ってきているようです。
行くとまっさらになります。
それがとても気持ちよく、特別ななにかを私に知らせているような気がするのです。
この冬は雪山にも挑戦したいと思っています。
なにもかも吸収されるようなしーんとした雪のなかを歩いていたら、
惹きつけられる理由が解き明かされていくかもしれません。
まだ見ぬ自分の始まりです。
仕事も新しい方向にむかっていくと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。
よいお年を。



◎3月 いつもながら久々の更新です。


昨年末、ケイタイがiPhone4から7に変わって、IT革命やー(古っ)
と思ったものの、その魅力を発揮してあげれない私です。
でも格安SIMにしたら、月額利用料が1/4になったので大満足。
みんなが使用する通勤時間やお昼休みは、通信速度が遅くなるようだけど、
ゲームをしないし、SNSやネットもケイタイであまりしないので気にならない。
そもそも会社員じゃないから、時間帯がズレてるという特典かも。
iPhone7はカメラの性能がいいのが売りなんだけど、
SNSをしないと日の目を見ないので、なにを撮っても自己満足の域を脱しない。
まあいいか、フィルムの時代はみんなそうだったんだ。
ただただ寡黙に撮っていたんだ。
私も高機能ケイタイを寡黙に使い続けるぞぅ。

話は変わって、昨秋、ニューヨークへ行きました。
一週間ほど日本のどこかへ行こうと練っていたけれど場所が思いつかず、
日本地図を眺めて決めようと本屋へ。
でもピンとくるものがなかったので、世界地図のコーナーへ移動。
アメリカに久しく行ってないなあと思っていたら、
初めての海外旅行がNYだったことを思い出した。
大学2年のとき、アルバイトで貯めたお金で、同級生の女子6人旅。
ずっと同じホテル滞在なので、バラバラで動いて夜ごはんで集合したり、
一緒に移動したりと自由な旅。
80年代のNYは、スリや強盗は日常茶飯事、落書きゴミだらけの地下鉄は
かなり危険という治安のわるい街、と同時にエネルギーが満ち溢れてて、
そこでしか味わえない魅力でいっぱいだった。
なにもかもがカルチャーショック。
60年代全盛だったポップアート、ソーホーのギャラリー、 美術館を観たくて、
緊張のなかドキドキして街を歩いた。
その興奮が忘れられなくて、その後2回ほど再訪。
それから20年あまり、NYはどんなふうに変わったんだろう。
9.11後のマンハッタン、トランプ政権前のアメリカを感じてみたい。
急いで家に戻って、ネットで航空券を探し2日後のチケットをゲット。
昔は虎ノ門のアメリカ大使館までビザをとりに行ったのに、
今はネットでびゅ〜んだ。

果たして、摩天楼がそびえるマンハッタン島に到着。
街はきれいで、みんなが安心安全で闊歩している姿はもう、東京みたい。
時が変われば、街はこんなにも変貌するんだ。
こんなにこざっぱりしちゃって。
それはある意味、ショック第2弾でした。
いろんなものが排除されて、漂白された空間にいるような気分。
治安がよくなったのは、なによりだし、それはそれでいいんです。
緊張しすぎてへんな汗はでないし、気持ちよく観光できて。
それで多くのひとが、安心を得るようになったのなら。
それとも見かけだけなんだろうか。
そうでないことを願うけど。
ただ、混沌としたなかにある当時感じたあの魅力はもう跡形もなくて。
私だけタイムスリップしたみたいだった。
日本はどうなんだろう。
経済発展して、物や情報に溢れていて、いろんなことが便利になって、
寿命がのびて、私たちの心は江戸時代の人々より充実してる?
鎌倉時代より、縄文時代より、人生を謳歌してる?
流れにのまれて、なにかがこぼれ落ちているような気がする。
ぽろぽろと。

私たちが生きているここは、決して留まらない、動いてる生命体。
進化するし、衰退する。同じではいられない。
私たちは大きな流れのなかにいる。
同じ時は二度とこないから、また、どこかでなにかを感じてこようと思う。



2016年


◎8月 夏、真っ盛り!


猛暑つづきの今日この頃、かき氷、パフェなど、冷たくて甘いものを渇望します。
一刻も早く、涼しい下諏訪に行きたい。
現在、この地で「川原真由美の, 地図と古物となにか」展を開催中です。
ここは、標高が高いので射すような陽射しですが、湿度が低くカラッとしてて、朝晩は寒いくらい。
8月11日(木)から13日(土)まで在廊しています。
諏訪湖畔からほど近く、すぐ横には諏訪大社下社秋宮があるninjinsanは、もとは質屋だった古い建物を店主みずから改修し、そこに古道具などが所狭しと並んでいます。
間口は狭いが、中へ入ると下がったり上がったり奥深い。
ずんずん進み、奥の階段を上がった2階が、展示スペース。
さらに、バルコニーに出ると驚くような光景が!
まあ、なんということでしょう〜(必見)
ぜひ、見に、涼みにいらしてください。


「川原真由美の, 地図と古物となにか」
7/23(土)〜8/22(月) 13〜19時 火・水休み
ninjinsan
〒393-0061 長野県諏訪郡下諏訪町3190-14
tel.070-1456-2223
JR下諏訪駅から徒歩10分。
お車でお越しの際は、町営の四ッ角駐車場をご利用ください。




◆お知らせパート2
8月18日(木)高山なおみさんのトークショーに登壇します。
詳しくはこちらで。

◆お知らせパート3
ロゴをデザインさせていただいた、料理家セトキョウコさん主催「菜と果」のイベントのお知らせです。
「ハウスのハウス展」2016 On the river
この展示は、House.マスミツケンタロウさんとセトキョウコさんご夫婦が、毎年自宅展として行なっていましたが、昨年移転された八ヶ岳山麓の地に、仕事場と暮らしのフィールドを作り、ついにこの度お披露目です。
ここでは新しく、SHOP&GALLERY&WORK「On the river」とセトキョウコさんのストックフードブランド「菜と果」も始まります。
この機会に、お二人が作ったフィールドをぜひ、ごらんください。
イベントのとき以外は、一般公開していません。
訪れたら充実した1日になること間違いなし!
今回のイベントには、青木隼人さんの演奏会や、アトリエ ヨクト、パン工房 ゼルコバ、ねじまき雲も参加。
ちなみに私の仕事場は、マスミツさんの手助けで、自力で板の床を貼ることができ、アトリエっぽくなったんです!

◆お知らせパート4
友人で、冷えとりでおなじみのあおきみこと、青木美詠子さんが本を出版!
「あおきみさんち、家を買う 」青木美詠子 著 マイナビ出版
50代夫婦が、土地探しから初めて、自然素材の家を建てるまでの話が書かれていて、 とくに、土地を探し歩く各駅停車の話(笑、私がかってに命名。読めばわかるんです)は、家を建てる人もそうでない人も読んでたのしい。
克明に書かれてるので、土地探しをされている人にはかなり参考になる(もしくは勇気づけられる?)のでは!


◎6月 梅雨ですね


今年は、梅干しはやめて、梅ジャムを作りました。
梅雨に入って間もないですが、東京はまだ雨が少なく、
晴れてる日もなんとなく多い気がします。
突然、猛暑日がくるけど、もう少し待ってほしいなあ。

イラストレーションで参加していた21_21DESIGN SIGHTの「雑貨展」も
無事おわり、たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。
次の個展は、7月23日から下諏訪の「ninjinsan」(にんじんさん)です。
ここは、古道具やアンティークを扱うお店で、外観は蔵のような建物です。
内部も昔のままの姿でかっこよく、オーナーのヤッチョのお眼鏡にかなった
ユニーークな古物(こぶつ)達が、所狭しと鎮座しております。
その一角に6畳ほどのスペースがあって、そこで行ないます。

テーマは「地図と古物となにか」。
私は地図を眺めるのがすきで、趣味の山登り(初の山取材で文と絵を
描きました!「夏山 岳人別冊」ごらんください)もどちらかといえば、
行く前と帰ってから地図を眺めたいがために登ってるようなものです。
自分の歩いた痕跡を確かめたいのと、体で地形を感じたいという気持ちです。
旅も、地図上に自分の足跡をつけたくて、行ってるような気がします。
そういうことと、ヤッチョが集めた古物とで、なにかができないかと、
目論んでおります。
下諏訪は、今年、7年に一度の御柱祭があった諏訪大社をはじめ、
諏訪湖や、いい温泉、面白い店が目白押しです。
今回、それらも地図でご紹介できればと思います。
みなさんも、その地図片手に、下諏訪を堪能してくだされば。
空気がおいしくて、ほんとにいいところです。
避暑がてら夏休み、ぜひ遊びにいらしてください。


「川原真由美の, 地図と古物となにか」
開催日時:7/23(土)〜8/22(月) 13〜19時 火・水休み
場所:ninjinsan

ninjinsan恒例の夏イベント!!
7/23(土)
10〜16時 イキイキ夏夜祭
18〜20時 カレーを食べられるオープニングパーティ
御田町平和館にて(ninjinsanより徒歩3分)

ninjinsan
〒393-0061 長野県諏訪郡下諏訪町3190-14
tel.070-1456-2223 yesninjinsan@gmail.com
JR下諏訪駅から徒歩10分。
お車でお越しの際は、町営の四ッ角駐車場をご利用ください。


2015年


◎12月 暖冬の師走


半年ぶりの更新です。
いつもありがとうございます。

お知らせにも書きましたが、28日月曜よる9時から放送の、
TBSの年末ドラマスペシャル「赤めだか」でイラストを描きました。
わりと最初のほうに登場します。
このドラマは、落語家立川談春が、不世出の天才、立川談志に弟子入りし、
奮闘する日々を書いた「赤めだか」という本が原作です。
談春さんは、話題のドラマ「下町ロケット」など俳優としてもご活躍。
ニノ演じる談春と、たけし演じる談志のやりとりが小気味好く、
あっという間の2時間半です。
そして、私がなにを描いたかは見てのおたのしみ。
というか、編集されたものを見てないので、
どんなふうになっているのかわからず、じつはドキドキなのですが、
ごらんいただけたらうれしいです。

そして、もうひとつ展示のお知らせです。
先日、発売された書籍『旬を楽しむ 日めくり七十二候』に
イラストをたくさん描かせていただきました。
その著者で詩人の白井明夫さんが、神楽坂フラスコで毎年開催されている
お正月展に原画が展示されます。
その原画のなかから12点選び、カレンダーも作りました。
16日には白井さんとのギャラリートークもありますので、
ぜひ、あそびにいらしてください。
くわしくは、こちらをご覧ください。

今年は、大仕事を年越して抱えているので、気持ちが落ち着かず、
大掃除もままなりません。
窓ガラスと玄関のドアを拭く(福)の2点で、福をお招きできたらと。

よいお年をお迎えください。



◎5月 晴々したGW !


装丁させていただいた本、「高山なおみのはなべろ読書記」の
フェアが 湘南蔦屋書店で開催されています。
書籍のなかで紹介された本の数々、
著者高山なおみさんの新刊と
今までに出版された本が勢揃い!
一ヶ月くらい開催されているそうなので、
この機会にぜひ、ご覧になってください。





















◎1月 あけましておめでとうございます。


装丁させていただいた本、「高山なおみのはなべろ読書記」の イベント
吉祥寺のキチムでやります!
本に登場した数々の写真が展示され(本に載らなかったものも)、
本書で高山さんが紹介した本、カバーができるまでの私のアイデアスケッチなど、
手にとってご覧いただけます。
キチムは、ライブや上映会、ワークショップなど、
いろんなイベントを行なう気持ちのいい空間です。
じつは、ここのロゴマークやリーフレットも以前、作らせていただきました。
イベントのない日は、カフェでランチも食べられます。
とくに週末ランチは、週代わりでおいしいメニューが! おすすめです。

2月19日にはトークショウもあります。
出演は、高山なおみ(著者)、川原真由美(デザイン)
赤澤かおり(編集)、原田奈々(写真)、スイセイ 。
お申し込みは、トークショウのサイトから。

この本は、料理家 高山なおみさんが、鼻とベロで味わった本の話と、
そこから生まれた料理について書き綴ったものです。
写真家・原田奈々さんが撮られた料理の写真、
文章の世界をふくらませたような風景が、たくさん載っています。
今回の展示で、より深く「はなべろ」の世界を感じていただけると思います。
ぜひ、いらしてください。


2014年


◎1月 おつかれさまでした。


あー、今年はNewsの更新が一年ぶりになってしまいました。
季刊誌的に、ワンシーズンに一回できたらいいのですが、
(それも少なっ!ダメヨ〜ダメダメ!)
どうしても、ホームページの更新が遠のきます。
年末にむけて、模様替えをしたり、掃除をしたりしていたら、
気持ちが盛り上がってきました。
今ならすこし変われるような。。。
更新はダメダメですが、最近「すぐやる」を心かかげています。
やってみると、心のつかえがすぐとれるし、清々しい気分になるし、
達成感もあります。
そのとき気をつけるのが、「ちょっとだけ」です。
やり過ぎると、たいへんだったなあという記憶が残ってしまうので。
ちっちゃーい成果に大満足!そんなわたくしです。
そんな「かわはらむ」にきてくださって、
ほんとうにありがとうございます。
来年もできるかぎり頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
よい年でありますように。

2013年


◎12月 今年もぶじに。


さぁて、あと3日で今年も終わりです。
昨年末から一ヶ月に一回みんなが集合して撮影をしていた本、『料理=高山なおみ』
がいよいよ発売になります。
この本は、10年前に発売された本『高山なおみの料理』を作ったメンバーが再集結してできたものです。
アートディレクターは立花文穂さん。今回は写真も。
来年1月10〜14日ごろから店頭に並び始めるそうです。
見本が上がってきてもうすでに私は見ているのですが、凄いです。
なにが凄いかは読む人によって違うと思いますが、私にとっては奥ふかく潜んでいた心髄の自分を発掘してもらった感じがしています。
この仕事に関わったスタッフは多かれ少なかれそんなことを感じているのではないでしょうか。高山さんはとくに。
ぜひ、ふとんのなかにでも潜って、じっくり読みこんでみてください。
あと、秋に行なった原画展の写真を「Exhibition」にアップしました。
まだあるので、もうすこし整理してお見せできたらと思います。
ではみなさま、よい年をお迎えくださいー!


◎11月 ぶじ終了しましたー!


この一ヶ月はすさまじく目まぐるしく、たのしく、私にとって初体験の連続でした。
この体験を早くお伝えしたいのですが、展示に夢中になりすぎて仕事が滞ってしまったので、しばらくはそちらに専念しなければなりません。
落ち着いたらお話したいと思っていますので、すこしお待ちください。
そのあいだに、この気持ちを鎮静させて、言葉にできるようにしておきます。
そのときは、ワークショップのこともお伝えしたいと思っています。
会期中、宝石のような言葉をたくさんいただきました。
それらを糧に日々を過ごしていったら、なにかが少しずつ蓄積していったら、
いつかまたこんな展示がしたいなと思います。
たくさんの方々にお越しいただき、ほんとうにありがとうございました。



◎10月 久しぶりに展覧会します!


今月末から、仕事の原画展をすることになりました。
書籍に掲載されたイラストの原画、ボツになってお蔵入りの原画、
元になった下絵や落書きが詰ったスケッチブックなど、会場いっぱいに展示します。

メイン会場は、井の頭線 富士見ヶ丘駅から4分の 「くらすこと アトリエ」(無休)、
サブ会場は、駅から1分の「ごはんとおやつ、雑貨の店 くらすこと」(月曜休み)。
アトリエの行き帰り、ゆっくりとおいしいものを食べながら展示をみるには、
遅めの昼から夕方が、いい時間帯かもしれません。
会期中に2回訪れる日曜日には、友人の瀬戸口しおりちゃんと、
トサカンムリフーズのさんちゃんが、1日かぎりのスペシャル食堂を開店します。

きっかけは、仕事で使用したあと原画はどうしてるんですか、
というくらすことの方からの質問でした。
最初のうちは、出版社から戻ってきた封筒に入ったまま積み上げられてたのですが、
その山が高くなって崩れてきたので、一大発起してファイルに整理しました。
原画のサイズごとに、B5、A4、B4、A3のファイルに納めました。
それより大きいのは、戻ってきた封筒のまま、なにが入っているかわかるように
表に名前を描きました。B5サイズのファイルが一番多いです。
依頼される仕事の内容的にそのサイズに適しているというのもありますが、
私が穴のなかを覗くようにほじるように描くのが好きだからです。
こうしておくと、たまになにかで必要になったとき、探すのが楽です。
ただ、それ以外はけっきょく開かずの扉です。

そうお話したら、原画みたいなあ、原画展しませんかという話になりました。
せっかく穴のなかを覗くようにほじるように描いたものが、
一瞬のあいだ日の目をみただけで、あとは永遠にお蔵入りなのは残念だったので、
もういちど日に当たるのはうれしいと思いました。
以前は、イラストは本や雑誌など印刷物という形になって初めて成立するもの、
文や他のなにかの要素がないイラストだけを見てもなあと思っていました。
イラストは、出版社やデザイナーから依頼され、文に添えるための挿絵だったり、
なにかを説明するための絵柄だったり、本の表紙を飾る装丁画だったりと、
なにかしらの目的をもって出来上がるので、本のような印刷物でない状況だと、
(つまり原画は)主賓のいなくなった宴会のように感じたからです。
でもある時、整理されたそのファイルを眺めていたら、本からイラストだけが抜け出たその意味のない集まりが、なんだかおもしろく見えてきました。
イラストレーションという役目を終えて、鑑賞するものに変身したのです。
意味をなさなくても、むしろなさないからおもしろい、ということもあるんだと
気づきました。

こんどは、そのファイルも抜け出して、会場に広げてみようと思います。
本来の役目を終えたものたちが集まって、勝手にしゃべりだすかもしれません。
ぜひ見にいらしてください。



◎5月 GWですね


私の住んでいる吉祥寺は、ぽかぽか陽気とGWがかさなって大賑わい。
井の頭公園の池は、白鳥のボートで水面が大騒ぎです。
人がウキウキしているのをみると、なんかうれしくなります。
気分が伝染するのかな。
ドイツに住んでいる友人が帰国して、その子供たちがジブリに行きたそうなので、
井の頭公園を散歩がてら、ジブリ美術館の前まで行ったら、
案の定、6日までは全チケット完売とのこと。
まあ当然ですね、GWですから。
屋上のロボット兵が外から眺められたので、子供たちは落ち着いた様子。
ちなみに、ジブリ美術館は日時指定の予約が必要ですが、
キャンセルがあったときは、近くのローソンでチケットを購入し入場できます。
まあ稀だと思いますが…
以前、平日の4時からのに行った時もすごく混んでいて、
スタッフの人に混んでますねぇとつぶやいたら、いえいえ今日はそうでもないんです
と言われました。
一番すいている時期はと尋ねたら、まあ年間通して入場者数は多いけれど、
冬の寒い頃(2月とか)は、比較的ゆっくり観られるそう。
ジブリには行きたいけど、人混みがだめという方はその頃が狙い目かも。

瀬戸内国際芸術祭にあわせて行われていた小豆島での原画展、
「あたまの底のさびしい歌」が終了しました。
cafe' de MeiPAMへお越しくださったみなさま、どうもありがとうございます。

Magazinesのなかの画像をアップしました。
過去のものも画像を差し替えて見やすくしましたので、
ご覧いただけたらうれしいです。



◎3月part? さくら満開


Worksのなかの各項目、画像をたくさんアップしました。
次回は、Magazinesをもっと増やします(宣言!)。
重い腰を上げて取りかかった作業でしたが、まさに自分史の振り返りでした。
桜も花盛り、整理整頓、身の回りをきれいにして、春へ向かってGO〜。



◎3月 や〜っとこさ


Woksの内容を少しずつ更新しています。
この中は、2004年にこのサイトを作って以来の更新です。
昨年9月に頑張る宣言をして早半年、紆余曲折しながら泣きながら、
ようやくのアップップーです。
まだ途中ですがとりあえず、ようやった!(ほめて伸びるタイプなので…)
以前から載せているものも、写真を変えたり増やしたりしています。
自分で撮影したもの(暗くてぼやけた写真)もありますが、
きれいなものは写真家の友人、上山知代子さんに撮っていただきました。


2012年


◎12月 ようやった!


11月の下旬に初ぎっくり腰をやりました。
安静第一(にしかできない)のゆったりした1週間を過ごしました。
これはふつうの休養とちょっと違います。
休暇だったらやりたいことがあればやれるし、旅にも出かけられます。
でもぎっくりは、限られた姿勢しかできないので、家のなかでじっとしている
しかありません。
横になるのもきついし、いちど寝たらさいご、
起きる体勢になるにはちょっとした勇気がいります。
長いあいだ座っているのもきついので、立ってじっとしてるのが一番らく。
といって、ずっとそうしていると飽きるので、すこしうろついたり座ったり。
痛さが絶頂の2〜3日はやることがいっぱいありすぎて、本を読んだり、
テレビをみるという余裕もありません。
着替え、トイレ、食事、なにをやるにも時間がかかるので、
あっという間にいち日が終わります。
人間がいち日を生きるためには、けっこうやることあるんだなあ。
体が思うように動かないと、その制限を補うようにいろんなことを思いつきます。
長い棒を使って物をひっかけたり、体を支えて次の行動に移したり。
家のなかの持ちものを使って、あれやこれやの創意工夫。
いいこと思いつくと得意顔。
体が自由に動くときは、あんなことやりたい、こんなことやりたいと欲もでて、
やったらやったで、こんなこともできないのかと落ち込んだりします。
あー、今日もなんにもやらないで終わってしまった、なんの進歩もなかったと
ため息なんてついたりして。
でも今は、思い通りに動くだけで万々歳、もうけもんです。
寝て起きて、食事して、排泄して、また寝て。
それだけで充分、よくやった、いち日を味わった、ってことです。
というか、そのこと自体を味わうことが生きる醍醐味なのかもしれません。
寝たなーとか、眠いなーとか、今日はおなかすいてるなとか、
食べものが体に入ってくるとか、よく出たなとか。
さむいさむい年末です。
あと数日で2012年が終わり、新しい年が始まります。
よいお年!




◎9月 身の回りの整理


長い残暑も終わり、ようやく秋らしくなりました。
9が月ぶりの更新で、まいどながら失礼しています。
TOP画面をようやく整理し、以前のお知らせを(以前の→)に仕舞いました。
このサイトは、友人の スイセイさんにHTMLを根気よく教えていただいたおかげで、
なんとか自力で作っています。
Worksに入っているのは、このサイトを立ち上げた当初のままなので、
2004年くらいまでの仕事です。
今、最近の仕事をアップできるように改良中です。
秋の夜長のように、気長にお待ちいただけるとうれしいです。
どうぞよろしくお願い致します。


2011年


◎12月 いつもながら。 


自慢にならないけれど、今までで一番最速のUPです。
と書いたのが、今年の始まり。
そして次の更新が、除夜の鐘まであと4日を残すばかりの年の瀬・・・。
今までで一番遅いUPになりました。
そんなサイトをのぞいてくださり、本当に感謝です。

今年は、日本にとって大きな試練の年になりました。
私にとっても、考える年になりました。
6月は、『考える人』(新潮社)の仕事で、公私ともにつきあいのある料理家の
高山なおみさんとふたりで、シベリア鉄道に乗ってロシアを旅しました。
絵をたくさん描きました。
そのときの体験は、絵を描くことのたのしさを蘇らせてくれました。
秋からは、毎週のように山へ行きました。
自然のなかを歩くと、まっさらな状態に戻るのがわかります。
自分のなかに潜る、1月に予感めいたことを書いていました。
静寂の中からは、いろんなことが見えてきます。
今、小さな芽が奥のほうでうごめいているを感じます。
これまでは、小さすぎたし、奥のほうだし、他に気を取られていたので、
よくわかりませんでした。
芽のほうもじっと土のなかで眠っていたようです。
長い間、静かにして聞き耳をたてていたら、ようやくその存在が見えてきました。
これから、眠っていたその芽を育てていきます。
来年はどうやら動の年になりそうです。
みなさんには眠っている芽はありますか、 来年をどんな年にしますか。
大切な年になりますように。



◎1月 2011年、こんにちは。 


自慢にならないけれど、今までで一番最速のUPです。
今、今までにでいちばん、人生でいちばん、
ほんとうの自分のなかに潜ろうとしています。
それが動的なことなのか、冬眠なのかまだわからないけれど、
しばらく外界を遮断して内側の声に集中していきたいと思います。
なにも見えない暗闇に向かっていくのだけど、そこは怖い闇ではありません。
むしろずっとずっと行きたかったところなのでわくわくしています。
ゆっくり、ゆっくり、とてもゆっくり、孤独を味わいながら進んでいきたいです。
そこが私の次に向かう場所のようです。


2010年


◎12月 2010年、ありがとう。 


カイに『年忘れ!スカンク兄弟と原田郁子の大忘年会っちゅね〜。』
のライブを観に行った。
会場は人で溢れかえっていたけれど、会いたい人たちに会えた。
さて、ライブはなにもかもがたのしかった。

ステージは、70年代くらいのとあるバーの設定で完璧なセットが出来ている。
「スナック兄弟」という看板があって、カウンターにはママ、ソファにはホステスが
座っていて、テーブルにはウイスキーと水割りセットが置かれている。
いつもはスカンクのライブで専属カメラマンみたくなっている齋藤くんは、
土方のおっちゃんみたいな格好をして、隣に座るきれいなホステスさんに
お酒を注がれながらたのしそうにお話し、べろべろに酔っぱらう常連客を
壇上で演じている。
衣装といい設定といい、あまりに自然にハマっていて、
休憩中に会ったとき、その姿に突っ込みを入れるのを忘れた。
来る前に高山さんと冗談で言っていたことがほんとうだった。
きのう急にチヨジが写真を頼まれたらしいけど、齋藤くんは仕事が入ったのかな、
案外、壇上でなんかしてたりしてと話していたのだ。

最初にケンケンがステージに現れてあいさつをした後、
お笑い劇ユニット「テニスコートコミック」が登場し、会場は大爆笑。
子供たちは地団駄踏んで、体ぜんぶで笑いころげていた。
ほんとにおかしいときって、人ってこうなるんだな。
テニスコートにフツーに絡むし。
いつの間にメンバーが出てきてソファに座ってる。
ホステスさんに注がれたお酒を飲んで一緒にたのしんでいると、
いくこちゃん演じるせつ子ママに呼ばれて歌い始めた。
スカンクの歌をこの大きさのライブ会場で聞いたことがなかったけど、
スケールが違うと伝わってくるものもまた違う。

歌声を聞きながら、私もまねして違う設定をしてみた。
自分はほんとは人間じゃなくて、広大な宇宙を浮遊している塵みたいなもの。
苦しみもなく、体も持ってない。
今日は特別にほんのちょっとの時間、人間の体をもらった。
それで、この地球の日本の東京の表参道のスパイラルホールのカイを覗きにきた。
そしたらそこでは人間がこんなおかしな事をして、年末をたのしんでいる。
喜んだり、怒ったり、悲しんだり、楽しんだり、苦しんだりして
忙しくてたいへんそうな人間たち。
そうして、こんなに笑ったりしてる。
その命の集まりが、体を通ってキラキラしてる。
地球のこの場所にこれたおかげで、それを一緒に体感できた私は、
たまらない気持ちになった。

第二部ではなんと、スペシャルゲスト「ハナレテルコ」が女装で登場。
最初は歓声と爆笑の渦だったのに、ラブイズオーバーを歌い始めると、
お化粧が清志郎を彷彿とさせる貫禄に変わり、女装と相まってすごみが増した。
途中で本人も気持ちよくなってきたといってたけど、
タカシくんのあたらしい世界が生まれた感じだった。

最後のあいさつで、畑モジャ俊行がやってよかったといった。
仕事を持っていて忙しい人たちなのに、どんなことにも手を抜かず
徹底的にやる彼ら。
スカンク兄弟といくこちゃんの、観客に喜んでもらいたいという気持ちで
満ち満ちたライブだった。
ありがとぉ〜、スカンク兄弟と原田郁子!!!



◎8月 暑中お見舞い申し上げます 


明日から1週間、夏休みにしようと思うので、
久しぶりに更新をしました。
いつものぞいてくださる方、すみません、ありがとうございます。
夏らしい日が続き、食欲がぐっとおちる8月。
夏バテしないように食べなきゃと思っても、何を食べたいのか思いつかない。
でもトウモロコシだけは、ほぼ毎日一本です。

TVCMの仕事にイラストレーションで参加しました。
アステラス製薬という会社の企業広告です。
画面には文字とイラストしか表れず、ナレーションと矢野顕子さんの音楽で
30秒のCMが展開されていきます。
放送日ごとにストーリーが変わる、一期一会のなんとも贅沢なCMです。
今までに40話近く作りましたが、最終的には100話くらいになる予定です。
TBS「NEWS23クロス」内で放送されていますので、
ご覧いただけたらうれしいです。
「120文字のアステラス」HP内、「CMはこちら」をクリックすると
月ごとに新CMがアップされています。(今は8月分)

そして、お待たせしておりました「四月と十月」22号が発売中です。
次号は新しい同人がふたり加わり、たのしみな秋になる予感!




◎5月 13匹の鯉 


ちかごろ、子供の日に鯉のぼりをあまり見なくなったと思いませんか。
が、しかーし、うちのベランダからは鯉がた〜くさんなのです。
マンションの1階に住む大家さんの庭からは、大きな鯉が4匹、
2階のわたしんちからバッチリ目が合います。
西へ頭を傾けると、お隣のマンションの2軒のベランダで合計6匹の鯉が泳いでます。
東へ頭を傾けると、うちのマンションのベランダから3匹の鯉泳いでます。
ゴールデンウィーク、四方八方に計13匹の鯉が泳ぐたくましい空でした。


さて、話は変わって、
料理家の高山なおみさんとの共著、『十八番リレー』が出来ました。
NHKテキスト『きょうの料理』での2年にわたる連載を、本にまとめたものです。
高山さん直々に料理を習うというありがたい機会をいただいて、
ふたりの会話とイラストで実況していくという24回の連載でした。
通常のレシピではこぼれ落ちてしまう大切なこと、
高山さんならではの視点が満載で、初心者でなくてもたのしめる一冊です。
シンプルな料理には、おいしい料理のコツがいっぱい潜んでる。
アートディレクションは有山達也さん。
(ページをめくるといきなりの私のすごい顔に驚かないでください・・・)



2009年


◎12月 さようなら2009年 


ひさ〜〜〜しぶりにホームページを更新しました。
仕事以外でネットを見ることが少ないわたしは、
インターネットとの関わり方が薄いため、更新という作業に
どうしても縁遠くなってしまいます。(以上、言い訳です!)
ちょくちょくのぞいてくださっている方、ほんとうにごめんなさい。
そして、ありがとうございます。

さて、今年もたくさん仕事をさせていただき、いろんな出会いがありました。
あっ、10月にはハワイ島にいってきました。
日本ではペーパードライバーのわたくしが、バリバリ運転しました。
生まれて初めて標高4205mの場所を体験しました。
サンセット&星をみるために登ったのです。といっても車で。
マウナケア山山頂は、天候が安定していて、空気が澄んでいるので、
世界各国の天文台が設置されています。
そのなかに、日本のすばる望遠鏡もあります。
その日は偶然、新月で天体観測には絶好の夜空でした。
あまりの星の数に埋め尽くされて、空全体が明るく感じます。
空の黒より、星の点の量が多いんです。
その中にあるとくに濃い白い帯状のものが、天の川銀河。
わたしたちが住んでいる地球をふくむ天の川銀河は、
内側から見ているから、天球上の帯になって川みたいに見えるんだそう。
天の川銀河は、この宇宙に数ある銀河の一個で、直径約10万光年。
その中に約2000億個の恒星があるんだそうです。
うちらの銀河の年齢は約136憶年。
わたしの年齢は44歳。若っ!
まだ尻の青いガキってところです、いろんなとこが至らなくて当たり前。
と、居直ったところで話は戻って、
唯一目で確認できるお隣さんの銀河、アンドロメダもしっかり見えました。
このお隣さんは、秒速約300kmでうちらに近づいているらしく、
約30〜40億年後には、衝突してしまうんだって。
ひゃ〜〜。
っていうか、そのころはわたしたちも星のひと粒?
魂になって、宇宙空間に浮遊しているのかなぁ。
銀河が生まれた136憶年前のことも、衝突した40億年後のことも、
果てしなすぎて想像できません。
今この時間、地球上にいる人が実感していることなら想像できる。
笑っている人、泣いている人、怒っている人、無表情の人。
宇宙からみたらほんの一瞬の出来事なんだけど、わたしたちにとっては充分な時間。
じっくり味わったら、ぱーっと手放して、ずんずん進むのだ。
よい年になりますように。



◎7月 皆既日食はテレビから 


東京は部分日食だったから、一瞬空が闇に包まれるというのは
味わえなかったけど、テレビで各地のいろんな現象を見ました。
宇宙現象ってほんとすごい。
ところでわたしは、ときどきこんな一人あそびをします。
「今わたしの住んでいる地球は、空に月というものが存在しません」
という世界で暮しています。
だから夜空に真ん丸のお月さんや三日月などは見えないんです、
人類はまだそんなものを見たことないんです、と過程します。
目つむってそのイメージを高めます。(このイメージ力、たいせつ)
そうして高まったところで(月というものを頭から抹殺する、
星しかない夜空〜〜)、はい、目を開けます。
目の前には真ん丸のお月さまです!
うわわわわぁぁぁ〜〜、なXなSのCCDSCDC(ことば失ってる図)
びっくり仰天です。
皆既日食のように、何十年に一度この月というものが夜空に出現するとしたら。
毎日見てるから落ち着いて、きれいだなあとか思うけど、
ふつう夜空にはこんなもの浮かんでない、ということを前提に考えると…。
どうですか!
大きくてまん丸の、輝くものが夜空に浮かんでるんですよー、、、
こっ、こっ、これは一体なんなんだぁ----!
このあそび、けっこう盛り上がるんですけど。

さて、そんなわたくしが参加している「Little Press Fair 2009」が
8月1日からCOWBOOKS南青山店で始まります。
COWBOOKSは中目黒と南青山店の2店舗あって、海外で発掘してきたレアな洋書から
日本のものまで、厳選された本が並んでいる本屋さんです。
代表の松浦弥太郎さんは、雑誌『暮しの手帖』編集長で、文筆家でもあります。
今回のフェアには、様々な分野のクリエーター18名が参加して、
手作りの冊子(リトルプレス)を限定数、展示販売しています。
ぜひご覧ください。



◎6月 一年ぶりの更新 


たいへん長い間、ご無沙汰していました。
やっとこさの、一年分の更新です。
今、いろんな整理をしているので、しばらくしたら、
hpをリニュアルできると思います。
がんばります。


2008年


◎6月 引っ越しました 


いろんなことが大きく変わった。
その上それは、日々さらに目紛しく変化していて
なにが変わったのか説明するのが難しい。
すごい早さで変化していくので言葉が追っつかない。
ひさしぶりに、ぐるぐるいろんなものが渦巻いているかんじがする。
あまりにぐるぐるしていて、まとまらないので、
結果として表面的には変化は見えないかもしれない。

一ヶ月以上経つというのに、部屋には段ボール箱がまだ36個もある。
でも引っ越しのとき、段ボール箱62個の番号と中味を詳細に書き記した
メモを作ったので、すぐ物が探し出せて案外困っていない。
なにか必要なものがあると、メモを見ては箱から取り出している。
これでけっこう生活できるのだから、物というのはなければないで、
なんとかなるものだと思う。
物が少ないととにかく楽だ。

何度も見る夢がある。
ひとつは、急いでどこかに電話をかけようとしているのに、
番号がすごく長くて、何度やっても間違ってしまい、
永遠にかけられないという夢。
もうひとつは、どこかにでかけようとしてすごく急いでいるのに、
持ち物をあれやこれ準備していて、永遠に支度が終らないという夢。
長期旅行の荷物を用意するような、すごくたいへんな感じ。
急いでいるのに持ち物がなんやかんやありすぎて、
そんな自分にほとほと嫌気がさしている夢だ。
まるでそのまま現実を反映しているみたい。
行動する前にあれやこれや考えるのが癖で、
それが大きくなりすぎると次第に負担になり気重になり、
なにもやってもいないのに疲れてしまうのだ。
結局めんどくさくなって、考えただけで終わってしまう始末。
なるべく身軽にシンプルでいたいのに、付属しているものが
ガチャガチャと音をたてて押し寄せてくる。

引っ越しを期に環境を快適にしたい。
でもあまりにやることがたくさんあって、
考えると気重になってなかなか進まない。
気持ちだけ焦って、なにもしてないのにいつも忙しい気分。
早くすべてが整理されて快適な環境の中で優雅に過ごしたい。
でも環境の変化で自分の内面もどんどん変化しているので、
どういう方向に整理したいのかまとまらない。
こうやって頭で考えるから疲れちゃってやる気が失せるんだな。
目についたとこ、気がついたところから、ひとつづつやっていけばいいのだ。
よく考えたら三度の引っ越しで、ずいぶん自分らしい環境に
近づいてきたんじゃないか(よし、少し浮上)。
自分の核に近づくために、自分にとって過ごしやすい環境を作る。
その行方は自分にしかわからず、結末は自分にもわからない。

自分が変わるとそれをとりまく環境も変わるんだと思っていたけど、
環境が変わったら自分が変わったという逆の作用もあったのだ。
片付いてはいないけど、内面的には100キロくらい進んだ感じ。
いろいろ新しいものが見えてきた。





◎3月 動きます 


だんだん春らしくなってきました。
梅の花もちらほら見かけます。
春といったら、卒業式や、入学式、転勤、なんやらかんやら
新しいことがぞくぞく始まります。
なんか意味もなくウキウキして自然にやる気もみなぎってくる春はすき。
暖かくなって朝も起きやすく、外出もしやすく、動きやすい、
いや、じっとしているほうが返ってつらいくらいで、
出不精のわたしが、この季節は体のほうから活動的になってくる。

とはいっても学生時代は、新学期があるこの季節は、
なんと憂鬱で気が重かったことか。
やっと慣れたクラスと別れ、どの先生が担任になるかとか
また一学年上がって勉強が増えるとか、受験が近づいてくるとか、
義務とか将来とかいう言葉がのしかかってくる学生生活。
春はそんなウキウキしたもんじゃなかった。
自分がどうなっているのか、どこにいるのか、なにがなんだかわからず、
わかっていないということすら、わかっていなかった。
すきなように動けない苦しさ。
要するに、主体性がなかったんだな、わたし。
もやもやと、ただ地味〜な苦しみを味わっていたのだ。
今でもそんな状況に陥ることはあるけど、あの時代に比べると雲泥の差だ。
今、あの時代に戻らなくていいなんて、なんて幸せなんだーーー!
自由だーーー!

さて、長年住み慣れた場所を離れ、引越しすることにしました。
といっても1キロと離れていない場所です。
でも住処を移動するということは、いろんなものを片付けられるということで、
心機一転するにはいいきっかけになります。
新しい気分で始めるのは気持ちいい。
引越は来月なのですが、少しずつ片づけを始めたり、
長年お世話になった部屋の大掃除をしたり、
新しい部屋の間取りを眺め、ニタニタしながら空想の世界に浸っております。
といっても7年も住んでいた我が家、離れるとなると寂しいもので
決めた途端、ちょっと気が滅入ってきました。
ほんとに離れるのか、二度とこの部屋で夏を迎えることはないのか、
などと考えていると、人生というのは同じ状況がずっと続くことは
ないんだ気づき、ひとり感慨にふけりました。
だって、明日もあるって思っていた部屋がなくなるんですよ。
いや、部屋はある、私がいなくなるだけで。
あまりにも居心地がよくてずーっと続くと思っていました。
でも反対に、そうだとしたら息苦しくなっていたかもしれません。
自分で決めたから、今まではずーっと動かなかったし、
自分で決めたから、動くことになった。
年を重ね、状況が変わり、環境を変える。
環境を変えるために移動する。
自分の決めたことが、自分の人生を作っていくんですねぇ。
さあ、動くぞぅーーー。





◎2月 旅に出ていました 


すっかりご無沙汰してしまいごめんなさい。
なかなか更新されないのにもめげず、何度も来ていただいた方、
ありがとうございます。
1月は半月間休みをとり、ニュージーランドに行ってきました。
初めての南半球で、初めての南十字星を見ました。
私は南半球でしか見ることができないさそり座なのですが、
あいにく、どれがさそり座なのかわかりませんでした。
紫外線は日本の7倍だそうで、帽子をかぶって完全防備していたのに、
たった数分、出ていた肩がジリジリと焼け、そしてむけました。
太陽光線が強いので、害虫が少ないらしく、ほとんど農薬を使わない野菜は
うまみが凝縮されていて(たぶん)、すごくおいしいかったです。
先住民マオリが築き上げてきた文化が、踊りや彫刻や入れ墨に残っていて、
マオリ語が語源になっている地名がたくさんありました。
国内最高峰3754mのマウントクックの麓で、14キロのトレッキングをして、
氷塊が浮かぶ氷河湖を見ました。
南半球最大級のタスマン氷河では、ガイドさんの案内でボートに乗って、
湖面にそそり立つ氷山の断面を観察しました。
氷山は、氷河から流れ出した氷の塊のことで、その90%は水面下にあるそうです。
今見ているのは、氷山のたった10%、だから氷山の一角なんだそうです。
融けていくとバランスが変わって氷が回転します。
もうすぐ回転する氷山は、水面近くの色が上部と違うので、
側面が傾きだしていることがわかるそうです。
大きな氷山になるとちょっとした津波も起こるほどすさまじいものだそう。
と、ガイドさんが説明していた矢先、氷山が動いていると他のボートから無線連絡!
ガイドさんがすごい勢いでボートを操縦し、その氷山に駆けつけたとたん、
くじらほどの大きさの氷塊が傾き出し、ゆっくりとひっくり返り、
すごい大きさの水面下にあった氷塊が表われました。
まさに、氷山の一角という言葉の意味を目の当たりにしました。
その氷塊は大きな波をつくり、私たちの乗ったボートのすぐ手前まで
押し寄せてきました。
この仕事をして2年になるガイドさんも初めてという貴重な体験だそうです。
約500年の間、水面下にあった氷の密度は高く空気を含んでいないので、
とても深いブルーグリーン色です。
1時間もすると空気が入り、他の氷山と同じ白になります。
ボートの近くに流れてきた、まだ青々した500年前の氷をがりがりと食べました。

帰国した翌々日、美術同人誌『四月と十月』の古墳部研究旅行で
出雲の旅へ出掛けました。
テーマは弥生時代。
虹の出迎えにはじまり、八重垣神社、神魂神社、出雲大社では、
体のすみずみまで染み入る光のシャワーを浴びました。
一カ所から39個の銅鐸が出土した加茂岩倉遺跡、銅剣が358本も出土した
荒神谷遺跡、四隅突出古墳、いろんな弥生時代に出会いました。
旅することで、今そこに住んでいる人、その昔そこに住んでいた人と出会う
(残されたものを通して)ことは奇跡だと思います。
私がそこにわざわざ訪れたことで出会うわけだけれど、
自分の場を離れなければ出会うことはないわけで、
そしてまた戻ってくればもう会うことはなくて。
近所を歩いたり自転車や電車に乗ったりしていても、同じことを思います。
今、すれ違った人とは生まれて初めて会うけど、もう二度と会うことはない。
だから出会いは奇跡だと思います。




2007年


◎12月 よいお年を 


忘年会で友人のアトリエにいったら、 こんな言葉が貼ってありました。
私もまねして貼っています。
よいお年を。



どんな時も、人生には、意味がある。
どんな人のどんな人生にも、意味がある。
この世に命のある限り、あなたには満たすべき意味、
実現すべき使命が、必ず与えられている。
たとえ、あなたが気がついていなくても、
それは、あなたの足元に、常に既に送り届けられているのだ。
この世のどこかに、あなたを必要としている『何か』があり、
あなたを必要としている『誰か』がいる。
そしてその『何か』や『誰か』の為に、あなたは出来ることがある。
その『何か』や『誰か』は、あなたに発見されるのを待っているのだ。
だから、この人生で起こるすべてのことを
?たとえどんなにつらいことでも?意味あること、
必要だから起こったこととして受け止めよ。
その『何か』は、あなたに大切なことを気づかせてくれる
メッセージを含んでいるはずだから。

心理学者 フランクル  の言葉




◎11月 私の師匠について 


私は大学を卒業してすぐサン・アドという広告制作会社にはいった。
きっかけは大学4年の夏、葛西薫さんというアートディレクターに
作品を見てもらいたくて会社宛に手紙を送ったことから始まる。
葛西さんは忙しい合間をぬって会ってくださった。
作品ファイルをおもしろがってていねいに見て、
学生の私と同じ目線で話をしてくださった。
気づいたら私も作品についてぺらぺらと話し、
未知の世界の広告についていろんなことを質問していた。
その年末、サン・アドで急遽デザイナーの募集をするという連絡を受け、
再び作品を持って面接に行った。
そしてまさか入れると思わなかったサン・アドに入社することになった。
葛西さんは紙の上で手品師がパズルでもするのように、
文字や写真を動かして次々に美しい画面を作り出す。
それは大げさな話ではなく、たとえばデザインの最終段階でクライアントから
無謀な注文を受け、もうどうやってもいいデザインにはならないと
投げ出しそうな場面でも、まるでMr.マリックがデザイナーになったみたいに、
葛西さんが文字や写真の大きさ、配置を変えると、再び息を吹き返し、
紙面が生き生きと輝き出すのだ。
私はそれを10年間、まるで催眠術にかかったみたい眺めていた。
葛西さんは、ほんとの手品も上手くて、よく見せてくれた。
そしてそのあと、こういうやけに器用なとこがいやなんだよなーと呟いていた。
葛西さんの話にも引き込まれた。
打ち合わせでの話、クライアントへのプレゼンテーションでの話、
仕事帰りの電車の中(帰る方向が同じだった)スケッチ手帖をめくりながらする
構想中のデザインの話、いつもワクワクしながら聞いていた。
出会いから20年、今もあの初めて会ったときと変わらず、
バトミントンの羽のように軽やかに跳ねる葛西さん。
広告やデザインについてよくわかっていなかったあの頃より、
今のほうがもっと大きな存在になっている。
教わったことはデザインという枠を超えて、もの作りの考え方、
しいては生き方にまで大きく作用し、独り立ちしてからの私をいつも支え、
後押ししてくれた。
それはもう感謝してもしきれないほど大っきすぎて、考えただけであわあわする。
今、その師匠、葛西薫34年間の仕事の展覧会がクリエーションギャラリーG8と
ガーディアン・ガーデンの2会場で行われている。
19歳のころのレタリングから、仕事のための数々のアイデアスケッチまで
丸出しのよだれが出るほどたのしい展示だ。
まるで脳みそを覗いているよう。
つい先日、またはっとさせられることがあった。
なにもアイデアが浮かばなくても、紙の上にただ線をおけばいい。
そうすると紙に描かれたその線から次が始まっていく。
そうやってただ手を動かすことがたのしい。
だからいつも自分がやっていることは、なにか作りだすというよりも、
作業という感覚に近い。
その作業自体がたのしい、と葛西さんはいった。
行き詰って考え込んでしまうたちの私は、そんなとき真っ白な中から
何かを生み出すような強迫観念にも似た気分になる。
でも生み出すなんて大それたことでなく、
ただ手を動かすことなんだと気づかされた。
生み出すというのはやる前にある言葉ではなくて、
やった結果ある言葉(生み出された)なんだと知った。
作業だ、作業。
そう、描く前は不安でも描き出すとたのしい。

オープニングパーティのあいさつではこんなこともいわれていた。
自分は宇宙から見ればちっぽけなカケラなんだと気づいたら、
何をやっても大丈夫と思えて気が楽になった。
いくつになっても私の師匠、葛西さん、ありがとうございます。
丸出し展覧会おめでとうございます。




◎9月 月のちから 


中秋の名月、見ましたか。
私は新幹線の中から見ました。
今年は9月25日、まんまるお月さんが輝いていました。
この季節、台風や秋の長雨の時期なので、
満月が見れる率は低いそうです。
だから今年はラッキーです。
私は月好きです。
昔からではありません。
あるときから好きになりました。
体調が悪くて夜中によく目が覚めて、
眠たいのに寝れないという辛い日々が
続いたときのことです。
ふと窓を開けてみたら、空に月がありました。
それをじーっと見つめていたら、夜空にこうして月があるのが
すごく不思議に思えてきました。
当たり前のように見ていたけれど、
もし月がないのが普通という世界にいたとして、
突然、夜空にこんな金色に輝く月が出没したら
どんなにびっくりするだろう。
美しいと思うより、恐怖と不安におののくかも。
そんな風に、突然出没したと想像して見ていたら、
ものすごいものを見ている気分が盛り上がって、 心臓がバクバク。
それ以来、夜中に目が覚めると窓を開けて月を探します。
満月をじーっと集中して見ていると、
光の光線が注入されていくような気がします。
わたし、なんか怪しいですか。
でもほんとにエネルギーが貯まるんです。
なにもオオカミ男だけではありません。
満月の夜はお産も多いそうです。
ぜひ一度、宇宙の力を試してください。
そのときは、眺めるんではなく、
月に吸込まれるかのように、月と交信するかのように
じーっと見つめてください。
まるで月に恋するかのように・・・。




◎8月 あそぶ 


随分ご無沙汰してしまいました。
いつ更新するかわからないのに何度も訪ねてきてくださった方、
ありがとうございます。
近況報告すが苦手で、つい滞ってしまいます。
変化する近況もなく、報告がとくにないというのもあります。
それはある意味ありがたいことであり、違う面からみれば
そろそろ動いたほうがいい、ということかもしれません。
最近気になることは、生活が仕事中心にまわっていて、
しかも途切れなくずっと繋がってしまって、
他のエッセンスが入ってこないということです。
こういうと、まるでたくさん働いているようですが、
そういう意味ではなくて、生活にメリハリがなくなっているということです。
仕事場と住居が一緒なのとだらだら性格が相まって、
休みをうまく取り入れるのがむずかしい状況になっています。
つまり仕事が忙しくなくても、それ以外の時間を
まったく違うことに身を投じるというような、
上手な過ごし方ができないんです。
たとえば思いっきりヘトヘトになるまであそぶとか。
これ、じつはとても大事なことだと思います。
自分にエッセンスを加える、いつもと違う経験をする。
フリーランスになる前は、とく意識しなくてもしてたのに、
フリー(自由)って難しいです。
今後の課題です。




◎5月 しごと 


どうやって集中したらいいんだろう。
このきもちいい季節に。
日々、緑が深くなっていくし、ポカポカしてるし、
どっか遊びに行きたくて落ち着かない。
でも仕事をほおって出かける勇気もなくて、
結局ボーッと中途半端な気分のままで、おちつかない一日を終える。
うー、これじゃあストレスたまるー。
というわけで、今日は日が沈む前の明るいうちに、
パンを買いに行くという口実をつくって出かけることにした。
背中にぽわーんと日を浴びながら、ぼーっと歩いていると
体がゆるんできて、瞑想している気分になる。
おー、さっきまでの憂鬱がうそのように気持ちがふんわりしてきたぞ。
明日の食パンと、今食べる菓子パン(生クリーム入り)を買って、
公園のベンチに座って食べる。
だいぶ気分もよくなってきた。
でも家に戻ったら日も沈んで、もう仕事をする気がうせるだろう。
やばいな…、そしたらまた気持ちも低下。
だめじゃん!
ふと、いいことを思いついた。
今日はもう終わりにして、好きなことやりきって、早めに晩ごはん食べて、
9時頃寝てしまって、明日5時に起きたらいい。
よし、なんか急に気がらくになって、たのしくなってきたぞ。
喫茶店でコーヒーを一杯飲んで、100円のムーバスに乗って帰ってくる。
不思議なことに戻ってきたらやる気が出て、出かける前より仕事がはかどって、
1週間後〆切の仕事を終えてしまったよ。
いいじゃん!



◎3月 春いちばん 


今年の冬はあったんだろうか。
って思うほど、身も縮むほどの寒さ味わってない。
なのに昨年より暖房費が上がっているのはなんでだろう。
年々寒がりになってるのかなあ。
春はもうすぐそこ。
桜のつぼみもゆるみ始めて、
今週末はどこもかしこもお花見ムード満載だろう。
しかし昨日の強風はすごかった。
家が吹っ飛ぶんじゃないかと本気で心配したほど。
うちは木造だから臨場感がすごい。
春いちばんで家の下敷きになりたくない。
桜舞い散る木の下なら・・・。
って、なんかの唄にあったような。
私はいつも4月が一年の始まりのように感じている。
青々した芽、木々の葉を目にすると、
いろんなことが心機一転できる気がして、活力もわいてくる。
気のせいだとしてもそんな気持ちになれる春はいい。
今年も桜がたのしみ。



◎2月 おどるカラオケ 


先日、あおきみと久々カラオケに行ったら
ぜんぜん歌えなくてびっくりした。
もともと上手くないのはわかっているけど、
それに輪をかけてひどい。
歌ってあまりに久々だと忘れてしまうようで、
どれ選んでもさび以外すべてあやしい。
おまけに口がもごもごしちゃって、ろれつが回ってない。
これじゃよけいストレスたまるよ。
帰りしなあおきみと名誉挽回しにまた来ようと誓い合った。
こんな歌えなくなるものなのか。
ということで、1週間後また行ってきました、カラオケ。
こんどは、あおきみのダンナサマ、くにぞうも。
禁煙ルームをおねがいしたらキッズルームに通された。
中はちょっと保育室っぽくなってて、靴を脱いで入る。
奥は床と壁がクッションで囲われてて、
ぶつかってもでんぐり返ししても痛くない。
よーし、いくぞー。ってやる気満々だ。
前回ダメダメで、しっかり聞き直してきたスピッツは大分まともになった。
今回は口もちゃんと回ってる。
やっぱカラオケって歌いきれると気持ちいい。
そんでもって立って歌うとより気持ちがのってくる。
くにぞうは首にすじをたてシャウトして歌うのがかっこいい。
あおきみはラップ部分が出てくると苦戦しながら必至に歌う姿がかわいい。
おもろい夫婦だ。
だんだん調子にのってきた私はジャンプしたり踊ったり。
しまいにはクッションで囲ってあるとこにいって、
頭をぐるんぐるん回し、はげしく踊ってロック歌手風自由演技。
目が回って壁にごんごんぶつかる私を見て、
あおきみが歌いながら腹を抱えて泣いている。
4時間、完全燃焼。
いやー、歌っていいね。



◎1月 ありがたいおめでたい 


あけまして、おめでとうございます。
新年にむけて部屋を一掃したかったのに、年末なんやかんやと忙しく
手つかずであたらしい年を迎えてしまいました。
なので今、身の回りのことは目をつむり
心の中だけ一掃した気分をつくっています。
元旦から一週間なにも考えず、心も身体もゆっくりし
今週からまた目をつむりながら一週間仕事をしました。
そしてやっと現実に目をむけて、部屋のかたずけに手をつける。
よーし、今年のテーマはシンプルなので、
思いっきり身の回りのものを少なくして、
部屋も心も空間をたくさんつくって動きやすいようにするぞー。
新年って、いろんなことがあってもこうして新しい気分になれるからありがたい。
『ありがたい』は有ることが難しいという
釈迦が残した法句経の意味を、三蔵法師が訳した漢文が語源だそう。
『人の生を受くるは難く 限りある身の 今 命あるは 有り難し』
今生きている私たちは、実はこの世に生まれてくることが
本当に奇跡のような確率で、しかもどんな人間も
いずれ死の世界に行くことになっているわけだから、
今こうして生きているって状態が有ること自体難しい、有り難い。
ほんとにそうだ、生きてるから2007年迎えることができた。
だからやっぱり、新年はありがたいしおめでたい。
ということで、今年もいただけた命、
ていねいに生きて少しでも成長できたらいいなあ。


2006年


◎12月 あたらしいってなんだろう 


ようやく銀杏の木が色づいてきました。
もうすぐ年の瀬というのに
へんな気分です。
年々暖冬が進んでいるをかんじます。
あたらしいっていうことについて
人と話をしました。
その人は、うつくしいもの、
誠実なものにはなんの興味もなくて
そこに毒がある、新しさがある
ということだけに惹かれるそうです。
私は、新しさがあって、毒があって
一見魅力的にみえるものでも
創作した人の震えるなにか、感じているなにか
がないものは惹かれません。
一瞬のちいさな刺激はあっても心に残らないようです。
頭で考える以外のもの、意識の範囲をこえたもの
に興味があります。
人の数だけ、人が興味をもつこと、惹かれることはちがいます。
そして時間の経過とともに、それは変わり
また戻ったりするのかもしれません。
その人は、毒のあるもの、新しいもの以外興味がないのは
ずっと変わってないといってましたが。
私の場合は、今の自分によるような気がします。
だから新しくて毒のあるもの、うつくしく誠実なもの、
その両方ともに惹かれるとき、どちらかのとき、
その時々の自分によっていろいろです。
今、自分が感じていることを頭でこねくり回すのではなく、
深く深く掘り下げたその自分の中に、毒、ドクトクなもの、
アタラシイものがある、と思っているので、
今はその方向でいこうと思います。
案外ふたりの答えは同じとこにあるのかもしれません。



◎11月 かわったこと 


更新をごぶさたしていました。
毎年、夏が終わると年末になっています。
ここ数カ月のことを思いだそうとしても
起った出来事については、主要なことひとつも
ぱっとは思い浮かびません。
いっこいっこ辿っていけば出てくるかもしれないけど
自分のなかで大きかったことは何か、
とか思い浮かばないのです。

最近やっていることは、
「ありがとう」を唱えることです。
あおきみからおしえてもらった本、
野坂礼子さん著書を読んで実践中です。
うれしいときはもちろん、
つらくて感謝できない気持ちのときも
心の中は憎しみのままでいいから「ありがとう」と
いえばいいのだそう。(声にださなくても)
この本いわく、
「我」というのは自分の好都合を求める小さな計算、計画で、
その範疇で暮らしている間は、本物の幸せにはなれない、
じゃあどうしたらその「我」から離れられるかというと
「ありがとうございます」を唱えればいい、
ということらしい。
はじめは心の中に感謝の気持ちがなくてもいいから、
ただ唱えることそのものに気持ちを集中させていればいい、
らしい。
本のとおりやっていると
少しずつ落ち着いてきて、ほんとにあたたかい気分になって、
今までとはちがったいい方向に流れていく気がします。
なにより気分がいいです。
唱えることに集中することで、無我夢中という状態になって
アルファ波がでるから体が必要な動きをしてくれる、
それでアイデア、直感、ひらめきが湧き上がる、
のだそうです。
「我」を出して、ああしよう、こうしようと考えていない状態。
あるがまま、無になるという状態。
個人的な欲求もかなり少なくなるそうだけど、
私には、まだそこまでの効果はみられません。
秋の異常な食欲が抑えられないとき、唱えてます。
これ、けっこうききます。



◎8月 夏やすみ 


ながーい梅雨が明けたけれど東京はやけに涼しい。
祖母の1周忌を終え、おととい九州から戻ったばかりだから
よけい高原にでもいるような気分になる。
真っ青な空ともくもくの入道雲、これぞ日本の夏やすみ
ってかんじがするのは、子どもの頃いつもこの時期、
九州の祖父母の家にいたからだ。
おとなになったこの夏も、いとこや子どもたちと
海へ山へ遊びにいって、夏休みを満喫した。
祖母からのプレゼントかもしれない。
いとこが雨どいでそうめん流しを作った。
庭の水道の蛇口から水を引き、雨どいをジョイントで
くねくねさせて池まで引く。
雨どいの角度がまた重要で、あまり急斜面だと早く流れすぎて
なかなか掴めないし、といって緩斜面でも簡単に掴めてスリルがない。
そしてつゆのはいった器に入れる氷も
そうめんをおいしくする大切な要素。
山の湧き水でやるそうめん流しではないから、
真っ青な空の下、汗をかきながら食べるそうめんが
なまあたたかかったら台無しなのだ。
雨どいの最終地点にはカゴをおいて、取りきれなかったそうめんが
たまるようになっている。
ある程度たまったら、また先端から流す。
これならそうめん流しも永遠だ。
器のなかにそうめんがあるのに、
流れてくるとなぜか取らずにはいられない。
食べることを忘れて夢中で捕獲作業をしてしまう。
生まれて初めての体験にワクワクがとまらない。
流れてくるそうめんを獲得しながら食べるという作業の
なんとたのしいことか。
べつになんてことはない、そうめんが流れてくるだけなのに。
誰が発明したのか、おもしろいこと考えるなあ。



◎7月 ながい梅雨 


6月の後半はイギリスへ旅に出ていた。
帰国したら初夏を味わうことなく、亜熱帯地方に来たような湿度で
身体がびっくりしている。
連日30度をかるくこえ、酸欠になりそうな暑さで
あんまり梅雨らしくもなくて水不足は大丈夫だろうか
と思っていたら、こんどは全国的にすごい豪雨だ。
どうなってるんだろう、ニッポン。
でもこの異常気象、ぜんぶわたしたちが関係しているんだよなあ。
やったことはいずれかえってくる。
宇宙の法則。
20代のころは、環境問題っていうと大きすぎて
まるでどこかの誰かの問題のように、
どこかがどうにか解決する問題のように、
遠く思っていた。
自分の体の中で、目に見える問題だけ解決して、
そのしわ寄せが目の届かない遠い場所で起っていても、
感覚が麻痺していて体が繋がっていることに気がつかず、
傷ついていることを知らないように。
そこも体の一部だとは思ってもいなかった。

すべては繋がっている。
自分の5メートル以内で起ったことは、
地球、宇宙と繋がっている。
宇宙、地球で起きていることは、
自分と繋がっている。
動物、昆虫、植物、すべて生きもの、
目に見えるもの、見えないもの、
自分が知らないもの、できごと、
すべてが繋がっている。
最近そのことを実感できるようになった。
ムッとしないで、にこやかに笑っていたい。
自分がいやな気持ちになりたくないように
できれば人にいやな気持ちをさせたくない。
散らかった場所にいるとイライラしてくる。
心地いい場所にいると心が静まってくる。
自分のまわり、自分に繋がっているもの、自分の環境を
自分がどうしたいか。
繋がっていることを感じて、
自分が動く数メートル内、取りまくもの、事柄、
それは宇宙と繋がっている。
答えは身近にあるんだと思う。



◎5月 あたまの底のさびしい歌 


ひさびさに、宮沢賢治の童話を読んだ。
読んだあと、気持ちが落ち着く。
どれも達観した目線のように思う。
童話の中で起こる出来事、事件を、感情移入せず淡々とえがいている。
そこに、よけい人の淋しさや空しさを漂わせるのだけど、
読者をそこに留まらせないようにしている気がする。
物語の骨子は、もっと奥深いところを見据えていて、
その先にあるなにかに誘導していく。
するとしだいにあきらめのような感情がわいてきて、
さっきまであった淋しさや空しさから抜けでている。
こうしてその感情をすこし離れた場所からながめると
今度は目の前に、うっすら光った道がみえてくる。

苦しみの中で、いやだいやだともがいて抜け出そうと力むより
あきらめて苦しみを受けることをゆるしてみたら
ふーっと肩の力がぬけたみたいな感覚。
結局、日々起こるどんな出来事も、あるがまま受けとめる以上の力は
人間にはなく、ただ生きていくしかないのだ、
起こった出来事になにかがあるのではなく、
生きすすんでいくことに、なにかがあるといいたいのだろうか。
あった出来事をなかったことにすることはできず、
もう無理だと思うときもあれば、まだできると思うこともある。
どちらにしろ、死なないかぎりは生きていく。
だから、ただただ生きればいい。
それだけでたいへんなんだから、それで充分じゃないか、
といっているようだ。

仕事で、賢治が生前残した手紙に、絵をそえて構成した本をつくることになり、
手紙を読んでみて納得した。
そこには、家族や友人にあてた肉迫した熱い思いがあふれていた。
ほんとうはどういう性格だったのかはわからないが、
手紙の中の姿は、せつなく苦しそうだった。
同時に、彼も生きるのにこんな苦しんでいたんだと思ったら安心した。
法華経に傾倒していて、友人を熱心に勧誘している。
苦しみの真理をさぐろうとしていたのかもしれない。
彼もまた、童話を書きながら、物事に迷わされずその真理をみきわめて、
どうなろうとも動じない心境になりたかったのかもしれない。
手紙の中の言葉が、そのまま本のタイトル「あたまの底のさびしい歌」になった。



◎4月 ぽわーんとしたい季節です 


最近やっといろんなことが片付いてきてほっとしているところ。
原画展も無事開催することができて、美術同人誌「四月と十月」
表紙も無事入稿して、滑り込みで四月中になんとか刷り上がる。
あーよかった。
こうして一年の3分の1が過ぎていく。
ゆっくり散歩でもして春をたしかめたい。
ちいさなバルコニーとベランダに植えている花や葉が、
活気を帯びだして日々変化している。
冬にバンジーを近所の園芸店で購入した。
なにか絵のモチーフになる花はないかと見ていたら、
ひと箱500円という安価だったので、なんの気なしに買ってみた。
毎朝窓を開けると目にとびこんでくる植物が、
こんなにもうきうきさせてくれる。
植物に力をもらいながら、すこしずつ冬眠から覚める
今日この頃です。



◎2月 梅もほころぶ 


荒川静香選手が、金メダル。
一日中、いろんな番組で放映してたので、
なんどもなんども観てしまった。
何回観ても見飽きない。
わたしもそんな作品つくりたいなあ。
こんどスケート場に行きたいねえと盛り上がった。
イナバウアー、やってみたい。
いま行ったら、ぜったい試してる人いそうだな。
部屋でやってみたら、胸のあたりでぼきっと音がした。



◎1月 プラスいちねん 











さて新年。
昔はこの時期になるとこう思っていた。
今年はどんな年になるんだろう。
それには夢と不安がいりまじっていた。
でもそれが少しずつ変わってきた。
この1年をどんなふうにしたいんだろう、わたし。
そして今。
この1年をどんなふうにしよう。

前は現実をオブラートに包んで、理想的な世界を膨らませ
なにかをリアルに考えて具体化することはさけていた。
自分が今の時点で考えていることなんかを
かたちにするのは小さくまとまる気がした。
その場その場で起こったできごとに対応して、
なるべく流れに身をまかせるようにした。
どうしたいのかはあまり重要ではなかった。
そうすることで自分の容量をふやしたかった。
でもそれは時には重荷になり、負担にもなった。

着々と年を重ねることで、いやがおうでも
いろんなことが具体化されてきた。
自分ができることと、できないこと。
自分がたのしめることと、たのしめないこと。
自分がやりたいこと、やりたくないこと。
どうでもいいこと、よくないこと。
自分の癖、質(たち)、性(さが)のようなもの。
命が絶えるまでの時間。
容量もわかった。
限界がみえてくると、なんと楽なことか。
大きさが把握できて、脹らませることも、
ぐっと焦点をあわせることもできる。
だからどんなふうにしようという具体的なことに
気持ちがかわってきたんだと思う。
自分主体だし、ずいぶん前向きである。


2005年


◎12月 青春18きっぷ 


今、いとへんギャラリーで開催されている「四月と十月」展の
オープニングパーティに大阪まで行ってきた。
青春18きっぷを使って。
期間限定で、全国のJRが1日乗り放題の切符が
5回分11,500円で発売されているきっぷで、
普通列車、快速列車に乗れる。
これって18歳までしか使えないと思っている人が多い。
私もそうだった。
一度使ってみたかった。
今回ちょうど発売期間だったので、大阪行き以外にも
冬の列車の旅にでかけようと思い、購入することにした。
ほんとは昼間に乗りたかったけれど、
結局、古墳部旅行と同じパターンで東京23:43発の夜行列車、
ムーンライトながら号で行くことになった。
大船から乗り込んだ編集長牧野氏と、酒とつまみで
しばし談笑し、酒がほどよくまわってきたころ牧野寝入る。
でも結局私は眠れず、車内散歩に出かけることにした。
青春18きっぷ期間なので、車内は満席で
みんな様々な格好をしてみごとに寝入ってる。
先頭車両へ行くと、当たり前だが運転手だけが起きていて
前を見据えて運転中。
私もそこで、しばし線路をながめることにした。
終電車が行った後の線路は、周りの情景すべてが
止まっていて、へんな光景だ。
夜走る電車の風景と、深夜とはまるっきり違う。
時間が止まった中を、自分だけの時間が進んでいる。
ワープしてトンネルをすり抜けるようなかんじ。
深夜の街散歩に似ているな。
1時間ほど眺めていたら、豊橋駅に着いた。
停車時間は30分、車外に出てみることにした。
階段を上がり、改札まで行くと、車外にでたお客が
2、3人いるだけで閑散としている。
なんか、にせものの駅みたい。
今度はホームの端から端まで歩いてみることにする。
一番後ろのその先で工事の人たちが、働いている。
外からながら号を眺めると、満席の車内はまるで
睡眠薬でも飲まされたままどこかにそっと運ばれていく人々を
積んでいるようにみえて、どきどきした。
私もその中に加わろうと、車内に戻ってひと眠りする。
ふと起きると5時頃だろうか、辺りが真っ白けだ。
まだ寝静まった街にしずかに雪がおちていた。



◎11月 紅葉いろんなところで 


紅葉を見に山の方へ行きたくて、
10月くらいからそわそわ。
それでどんどん計画して、今月は毎週末いそいそと出かけました。
暖冬ため遅かったようで、信州のほうは11月上旬でも
とてもきれいでした。
海派と山派、どちらかといえば私は山派。
海へ行くと、すかーっとした清々しい気分。
山は、すごく落ち着いた気分になって安心する感じ。
山というか、木々の中にいるのがすき。
近くの武蔵小金井公園もよく散歩します。
この公園は敷地がとても広くて古木も多く、
まるで森のなかに入ったような気分になります。
木に囲まれた森のなかに建つ家に住んでいる夢を時々みます。
その状況や風景は、けっこうリアルで、
先日那須に住んでいる友人の家に行ったら 風景が似ててびっくりしました。
いつかそんなところに住むのかなあ。




◎9月 中秋の名月 


朝晩、めっきり涼しくなってきた。
あっという間に夏も終わってしまったなあ。
夏バテって夏になるんだと思ってたら、
夏の暑さでたまった疲れが、秋にどっと出ることを
夏バテっていうんだと昔、人にいわれた。
なるほどそうか、この季節いつも体調がすぐれない。
一番つらいのが熟睡できないこと。
2〜3時間ごとに目が覚めるし、夜中に必ずといっていいほど
一度ふとんから出て完全に起きだしてしまう。
こうなると、次の眠気が訪れるまでただひたすら待つしかない。
正確にいうと、眠気はあるのに身体の不具合が勝って
眠りにおちていけないというかんじ。
でもその時期が過ぎると、ひと皮むけたように身体がすっきりして
食欲も大盛になり、きもちよく熟睡できる。
あおきみ著の「ずぼらな青木さんの冷えとり毎日」によると、
春と秋は毒出しの季節なんだそうだ。
だから安心して、どんどん体にたまった悪いものを出そうと
大掃除気分で、苦しいながらもたのしむことにした。
ここ最近は、夜中目が覚めるとしばらくソファでぼーっとしたり
本を読んだり、ベランダへ出て夜風にあたったりして過ごす。
そのおかげで今更ながら、この時期の月がことさら美しいことに気がついた。
中秋の名月とはこのことか・・・。
この年になって、名月という言葉をふかく実感した。
この輝き、まぶしくて目がしゅわしゅわしてくる。
東の月、真上の月、西の月、ほぼすべての角度を毎夜堪能。
月を見ていると気がへんになる、というのもすこしわかってきた。
だいじょうぶか。



◎8月 夏ですね。


大分ごぶさたしてしまいました。
この夏は、7月の夜行バスを使った強行日帰り京都、神戸にはじまり
美術同人誌「四月と十月」の第4回古墳部研究旅行で岡山(これも夜行列車)
その前後に瀬戸内の頭島、直島、先週の九州となにかと移動が多いです。
旅好きなので、夏っぽい日々(夏休みという意味)はうれしいです。
そして今、来月の展覧会にむけ陶芸家のくまがいさんのアトリエに通い
粘土をこねる日々を送っています。
私が造った立体に、あおきみが作ったことばをカタカナやアルファベットの単語の
判子で印し、くまがいさんが釉薬を塗って釜に入れます。
また、くまがいさんが造った形に、あおきみが単語を印し
私が線を引いたり、型を押したり。
焼き上がった作品は、いろんな歩みを経て、新しいかたちとなり
私達の前に現れます。
それは自分の想像したことだったり、思いもつかぬことだったり。
コラボレーションの醍醐味を味わっています。
いつもは制作物がどのように変化していくか確認できるのに、
この把握しきれない進行は、あれやこれやつい頭で考えてしまう呪縛から解放され、
のびのびと作るたのしさを教えてくれます。
そしてもうひとつのたのしみが、くまちゃんごはん。
あらかじめ自宅で作ったものを毎朝アトリエに運び、
夜くまちゃん作の器で、ビールとともにいただきます。
米ひと粒ひと粒、野菜ひとつひとつ、くまちゃんの人柄が表れています。
素朴で押しは強くなく、しっかりした、やさしい味。
疲れもふっとび、がんばろーっとなります。
食べ物の力ってすごい。
これから2週間は、最後の釜入れに向かってラストスパート。
展覧会「ちいさなかたち」ぜひ観にいらしてください。





◎5月 ぼーっと散歩など


「エトコトバ」展覧会が終わり、あっという間に1ヶ月たってしまった。
いろんなことを整理するのが、なにをやっても遅くて遅くて。
なんかテキパキできない。
やりたい気持ちはあるのに、身体に力がはいらないので
なりゆきにまかせて、時間をゆっくりやり過ごしている。
ほんとは、部屋を根本からきれいにして、生活風景をかえたい、今すごく。
どこか旅行に行きたい気分だったのに、それすらも腰が重いので
どこも行かずに旅行気分だけ味わおうと試みる。
どうするかというと、だらだらする。
散歩も復活、プールも1週間に1回程度。まずは体力回復から。
展覧会もぼちぼち。
ゴッホ展、佐野繁次郎展、ラ・トュ−ル展、今日はタピエス展に行ってきた。
ラ・トュ−ル展よかったな。
興味のあるなしを越えて、すごいものにはなにか共通言語のようなのがあって、
聞いてないふりしても知らぬ間にぐっと心をつかまれてしまう。
作家の性格までのぞき見てしまったような感覚。
入場券って高いなあっていつも思うけど、こういう日は得した気分。
ああいう作品を残したいと思う。
タピエスは、スペインのバルセロナ財団での衝撃が勝っている。
でも今回はビデオ上映がみれたのでよかった。
カタロニアの土を思い出して、肌がかさかさ舌がざらざらしてきた。
あっ、吉田戦車の「なめこインサマー」、ロッキング・オン編集長、山崎洋一郎の
「激刊!山崎」もよかったな。
しかし、なんといっても今すごいのは、 エレカシのライヴ「すまねえ魂2005」。
人が波にのっている場に立ち会えることは、貴重な体験。
刺激になる。
こうしてみるとぼーっとしてるとはいえ、結構あそんでるか、よしよし。
どんどんいってみよーう!





◎4月 春がきた!


私にとっては、急に春が訪れたかんじです。
というのも、はじめての本格的な展覧会が
いよいよ明日からはじまるからです。

コラボレーションする「コトバ」の青木美詠子さん、
通称あおきみと何度となく顔をつきあわせました。
お昼頃、あおきみがアトリエにやってきて
言葉と絵を組み合わせたり、選んだり、なんやらかんやらで
あっという間にいつも終電です。

本もつくりました。
そんなこんなで、風のように月日はすぎてしまったのです。
今日、無事搬入を終えました。

あおきみの気持ちがみている風景と私のとは、ちがうのだけど
どこかとどこかが微妙に重なっていて、別の角度から別の次元で
情景をみることができました。
これを見る人は、また違う角度から見るのかもしれません。
ぜひ体験しにいらしてください。
そして、それを本という形でお持ち帰りも出来ます。(定価一千円)

明日からという実感がわかず、どこかフワッと浮遊しています。
そんなものなのかなあ。
ずっと在廊していますので、お声をおかけください。





◎3月 アトリエ逃亡者のゆくえ






焼き上がった埴輪を受け取る。
暮れに、同人誌『四月と十月』の古墳部で
さきたま古墳へ行って制作した埴輪。
これ、馬のつもり。
実物はこんな無気味ではないのだけど・・・。
自分に似ているような気がする。



先週はアトリエから逃げるように、展覧会に行った。
やる気が出ない時はしかたなし。と、言い聞かせ意気揚々とお出かけ。
場所は上野の東京国立博物館。
ここは大学時代の古巣なので、こんな時いちばん落ち着く。

今、唐招提寺展をやっている。
金堂の平成大修理のため、ご本尊が寺外最初で最後のお出まし。
奈良の唐招提寺では何度か拝観したけれど、ふつうは遠くからしか観れないし
今回のように裏にまわって背後からなんてことはできない。
私は金堂自体がすごく好きなので、いつも建物の印象だけが強く残って、
盧舎那仏坐像や梵天、帝釈天立像や四天王立像をあまりみていなかった。
そして今回も、金堂解体の記録写真のほうが興味深かった。
屋根瓦がとりはらわれて現われた、何本もの木で組まれた骨組は
人間業とは思えない。
今から何百年も前、機械もない天平の時代にどのように計算されて、
どうやって人力だけで創っだのだろう。
根気のいる作業だろうなあ、うーん、私にはむいてない。
大丈夫、頼まれないから。

鑑真和上さんもすごかった。
12年にもわたって5回の失敗を繰り返し、おまけに失明までして、
戒律を広めるために日本に渡ってくるなんて。
不屈だ、爪の垢でも煎じなければ。
今日はよばれていたのだな、と思う。







まだ時間があったので、法隆寺宝物館にも立ち寄る。
ここは本館とならんで好きな場所。(しかし平成館、あのシャンデリアは・・・)
照明をぐっと抑えた広い空間に、たくさんの小さな菩薩像が
細い柱のように凛とたち並ぶ。
森の奥深くに来たような気分になる。
人が少ないせいか(私しかいない)温度と湿度の調整がばつぐんなかんじ。
宝物の館にいるんだ、私・・・。
それで森林浴みたいな気分になるんだな。
菩薩さまの気だろうか。
いつもぼーっとしてしまって、じっくり観たことがないので
今回はひとつひとつじーっとお顔を拝見。

おもしろい像を発見した。
如来倚像。 如来さまが台に腰掛けて、両足をぶらーんとさせている。
立像や、半跏像(台に腰掛けて右足を左ひざ上に組んでいる)は
よく観るけれど、両足ぶらーんは初めて観た。
リラックス感あふれてて、こちらまでふっと気がぬける。
ときどき観にこよう。














帰り、精養軒でいつものハヤシライスを食べて、ESTに行ってみた。
中には入らず、あの方を偲んでスケッチをした。
こんな外観だったんだ。
つい強いのを飲み過ぎて、いつも酔っぱらってたからなあ。
雨がポツポツ。
線がにじんで、ESTが泣いているような絵になった。



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